ヨーロッパでは「マニュアル車が主流」の訳
ヨーロッパではMT車の比率が全体の70~80%を占めると言われています。
お年寄りや若い女性も好んでMT車を運転しているのです。
新車販売の約99%が AT車という日本とは大きな違いがあります。
その大きな理由の一つが「MT車の燃費や走行性能への認識」。
ガソリンの価格が高いヨーロッパではAT車は車両価格も割高で
燃費もMT車に劣るというイメージを持つ方が多いようです。
また、昔からモータースポーツの人気が高く、
自動車が移動手段だけではなく、一つの文化として暮らしに根付いており、
「運転を楽しみたい」という考え方を持つ人が多いのも特長。
ヨーロッパの人々は自動車をとても大切にし長く愛用します。
日本人が1台の自動車を使用する期間はおよそ7~10年と言われ、
車検のタイミングや高額な修理代が発生すると乗り換えるのが一般的ですが、
ヨーロッパでは、自動車は修理して長く乗り続けるものと考えられており
10年、20年、10万キロや20万キロはあたり前といった感覚。
それを支える中古部品専門店やアフターマーケット製品等、
絶版モデルに対するパーツの供給体制が充実しています。
新車を購入する際にも長期所有を前提としたクルマ選びをするため、
ATより構造がシンプルでトラブルリスクの少ないMTが好まれるようです。
また、ヨーロッパの道路事情も一因。
街中は道幅が狭かったり、路肩への縦列駐車が基本であったりと
普段の取り回しを考えると、比較的コンパクトでキビキビ走れるMT車が
重宝される傾向にあるようです。